3Dプリントで作ったものは、こんなふうにできています。

3Dプリント品は、細い樹脂の糸を1本ずつ積み上げて作ります。だから、型で作った市販品とは見た目や性質が少し違います。ご注文の前に知っておいてほしいことを、写真で説明します。

糸を、0.2mmずつ積み上げます

3Dプリンターの中で、ノズルが白い樹脂の糸を置きながら部品を積み上げている様子

熱で溶かした樹脂の糸を、一筆書きのように置いていきます。1段の厚みは 0.2mm ほど。高さ 1cm の部品なら 50段です。この「積み上げて作る」ことが、下に書くことのほとんどの理由になっています。

もっと細かくできる? できます。1段を 0.1mm 以下まで薄くすると、線が細かくなって表面がなめらかになります。そのぶん造形の時間が延びるので、料金も上がります。

見た目のこと:市販品と、ここが違って見えます

どれも3Dプリント品の普通の状態です。不良ではありません。気になる場合は、仕上げ(別料金)で目立たなくできます。

横に細い線が入っています

白い3Dプリント品の側面を間近で撮った写真。細い横縞(積層の線)が並んでいる

積み上げた1段1段が、細い横縞として見えます。木の年輪や、バウムクーヘンの層のようなものです。触ると、かすかに段が分かります。

消せます? 研磨と塗装で、ほぼ分からなくできます(別料金)。

「支え」を取った跡が残ります

ひさしのある灰色の部品と、取り外した支え(サポート材)。ひさしの裏に少しざらついた跡が残っている

宙に浮く部分(ひさしや穴の天井)は、造形中に仮の足場で支えます。できあがったら足場を取りますが、その面は少しざらついた跡が残ります。

どこに残る? 強さと見た目の両方を考えて、いちばん良い向きをこちらで決めます。見た目が特に大事な面があれば、先に教えてください。

面によって、ツヤやざらつきが違います

箱形の3Dプリント品。つるつるの底面と、縞のある側面が同時に写っている

底面はつるつる、側面は細かい縞、上面はややマット、というように、面ごとに質感が変わります。同じ面の中でも、少しムラが出ることがあります。

色は、少しばらつきます

ほぼ同じ白い部品が2つ並んだ写真。片方がわずかにクリーム色がかっている

同じ色の材料でも、製造ロットで色味がわずかに違います。時期を分けて追加注文いただくと、前回と並べたときに差が分かることがあります。

そろえたい? 同じロットの材料で一度に造形するのが確実です。数量が決まっていれば先に教えてください。

細い糸くずが付いていることがあります

細い2本の柱のあいだに、クモの糸のような細い樹脂の糸が張っている様子

ノズルが部品の上を移動するとき、クモの糸のような細い糸が残ることがあります。納品前に取り除きますが、細かい所に少し残る場合があります。指で取れます。

同じ形でも、作り方と仕上げでここまで変わります

同じ部品を光造形・PLA・ASA平滑仕上げの3通りで作って並べた写真

実際の案件で、同じデータから3通りに作ったものです。左から、光造形(レジン)、PLA をそのまま、ASA の表面をなめらかにする処理をしたもの。線の見え方もツヤも、まったく違います。

どれにする? 使い方と見た目の希望を聞いて、こちらで選びます。仕上げを足すと料金は上がるので、見積のときに両方の金額を出します。

サイズと形のこと:寸法は、ぴったりではありません

0.2〜0.5mm ほどの誤差があります

ノギスで黒い3Dプリント品の寸法を測っている手元

樹脂は冷えると少し縮むので、データどおりの寸法にはなりません。手のひらサイズで 0.2〜0.5mm ほどのずれが普通です。

はめ合い・ネジ・差し込みがある? 先に教えてください。試し刷りと調整を入れて、精度を上げて作ります。その分、お見積りは少し上がります。

薄くて広いものは、少し反ることがあります

机に置いた薄い黒い板の端が、わずかに持ち上がっている様子

冷えて縮むとき、広い面の端がわずかに持ち上がることがあります。特に薄い板や、大きな平らな部品で起きやすいです。

減らせます? 材料の選び方や形の工夫で抑えます。平らさが大事な部品は、そう言ってもらえれば設計で対応します。

強さのこと:向きと中身で、強さが変わります

力の向きで、強さが違います

積み上げた段の境目は、木の板の木目のようなものです。段に沿って押す力には強く、段をはがす向きの力には弱くなります。

どうするの? どこにどう力がかかるかを聞いて、造形の向きを決めます。使い方を教えてもらえれば、こちらで考えます。

中は、格子状の空洞です

途中で止めた造形物の断面。外側の壁の内側に、格子状の中身(インフィル)が見えている

3Dプリント品は、中まで詰まっていません。外側の壁と、中の格子でできています。軽くて安く早く作れるのはこのためです。

もっと丈夫に? 壁を厚く、格子を密にできます(材料と時間が増えるので、その分の料金)。強度が要る部品は先に言ってください。

熱に弱い材料があります

日差しの強い車のダッシュボードの上で、熱で柔らかくなってたわんだ白いスマホホルダー

いちばん一般的な PLA という材料は、60℃ くらいで柔らかくなります。真夏の車内やストーブのそばに置くと、変形することがあります。

熱いところで使う? 熱に強い材料(ABS・ASA・ナイロンなど)に変えます。使う場所を教えてください。

素材のこと:何で作るかで、性質が変わります

素材はこちらで選びます。「どこで、何に使うか」を教えてもらえれば十分です。よく使う6つを、向いている用途と弱いところで説明します。

PLA(ピーエルエー)— いちばん一般的

棚に並んだ、色と種類の違う5本の樹脂材料(フィラメント)のリール

安く、きれいに、早く作れます。試作・置物・室内で使う道具はたいていこれです。

弱いところ: 熱。60℃くらいで柔らかくなるので、車内や屋外、熱いもののそばには向きません。

PETG(ペットジー)— 少し粘りがあって、水に強い

ペットボトルの仲間。少し粘りがあり、割れにくく、水や洗剤にも強めです。80℃くらいまで持ちます。生活用品、水回り、工具のホルダーに。

弱いところ: 表面が少しツヤっぽく、細い糸くずが出やすい素材です。

ABS / ASA(エービーエス / エーエスエー)— 熱と日光に強い

90〜100℃まで耐えます。ASA は日光にも強いので、屋外や車・バイクの外装カバーに向きます。

弱いところ: 冷えるときに縮みやすく、大きな平らなものは反りやすい素材です。

TPU(ティーピーユー)— ゴムのように曲がる

指で曲げられている、ゴムのように柔らかい黒い3Dプリント品

柔らかく、曲げても戻ります。滑り止め、保護カバー、クッション、マスクのように顔に当てるものに。

弱いところ: 細かい形やシャープな角は苦手です。造形に時間がかかるので、その分の料金になります。

ナイロン(カーボン入り)— 強くて硬い

機械部品や治具のように、力がかかるものに。硬くて、すり減りにくく、熱にも強いです。

弱いところ: 材料が高く、湿気を吸うので保管に気を使います。値段は PLA の2〜3倍が目安です。

光造形(レジン)— 線が見えず、細かい形が得意

糸を積む方式ではなく、液体を光で固める方式です。積み重ねの線がほとんど見えず、小さくて細かい形がきれいに出ます。フィギュア、小さな精密部品に。

弱いところ: 割れやすく、日光で黄ばみ・劣化します。大きなものには向きません。

用途のこと:向いている使い方と、使えない使い方

迷ったら聞いてください。「作れるが、こういう条件付き」という答えになることもあります。

お手入れのこと:長持ちさせるには

お見積書と契約書には、同じことが書いてあります

お見積書の「お取引条件」と、契約書の「契約不適合責任」の条に、このページの内容を短く書いています。このページは、その図解です。分からない条文があれば、聞いてください。

What 3D-printed parts really look like and how they behave, explained with photos: layer lines, support marks, dimensional tolerance, strength and print direction, choosing a material, and what they are (and are not) suited for. 3DIL, a 3D printing studio in Takamatsu, Kagawa, Japan.

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